海外の病院や飛行機の機内で「アレルギーがあります」と伝えようとして、うまく通じなかった経験はありませんか。実は「アレルギー」という発音のまま英語で言っても、まず伝わりません。
「アレルギー」は、英語の allergy とは発音がかなり違う単語です。しかも命に関わる場面で使うこともある言葉なので、正しい発音を知っておく価値は大きいです。
この記事では、なぜ「アレルギー」が通じないのか、正しい発音、そして日本語のカタカナ医療用語がなぜドイツ語由来になっているのかを解説します。
「アレルギー」は英語では通じない
結論から言うと、英語の allergy は「アレルギー」ではなく「アラジー」に近い音で発音されます。
| 発音記号 | カタカナ表記 | |
|---|---|---|
| allergy(英語) | ˈæl.ɚ.dʒi | アラジー |
アクセントは最初の「ア」にあります。「アレルギー」のように4つの音を均等に並べるのではなく、最初を強く、あとは軽く流すのがポイントです。
よくある間違い
- ❌ ア・レ・ル・ギー → 4拍で均等に発音してしまう
- ❌ アラジ → 語尾の「ー」を落としてしまう
- ❌ アレルジー → 「レ」の母音が残ってしまう
なぜ「アレルギー」はドイツ語由来なのか
「アレルギー」がここまで英語と違う理由は、この言葉が英語ではなくドイツ語を経由して日本に入ってきたからです。
明治時代、医学はドイツから学んだ
明治時代の日本は、近代医学を主にドイツから輸入しました。当時、世界の医学界をリードしていたのがドイツだったためです。日本の医学部で今も使われる「カルテ」「ガーゼ」「レントゲン」といった言葉は、すべてドイツ語由来です。
ドイツ語由来の医療用語の例
| 日本語 | ドイツ語 | 英語 |
|---|---|---|
| アレルギー | Allergie(アレルギー) | allergy(アラジー) |
| カルテ | Karte(カルテ) | medical record(メディカル レコード) |
| ガーゼ | Gaze(ガーゼ) | gauze(ゴーズ) |
| レントゲン | Röntgen(レントゲン) | X-ray(エックスレイ) |
| ノイローゼ | Neurose(ノイローゼ) | neurosis(ニューロシス) |
「アレルギー」という発音は、実はドイツ語の発音にかなり忠実です。ドイツ語の Allergie は「アレルギー」に近く読まれるため、日本語のカタカナはドイツ語をそのまま取り入れた形になっています。
つまり「アレルギー」は間違った発音というより、「別の言語(ドイツ語)の発音」なのです。英語話者にそのまま伝えようとすると、通じないのは当然と言えます。
海外で使うときの実践フレーズ
アレルギーは、旅行や留学、海外赴任の際に伝える機会が多い、実用性の高い単語です。以下のフレーズを覚えておくと安心です。
自分のアレルギーを伝える
- “I have an allergy to peanuts.”
(ピーナッツアレルギーがあります) - “I’m allergic to shellfish.”
(甲殻類アレルギーです) - “Does this contain any nuts? I have a nut allergy.”
(これにナッツは入っていますか?ナッツアレルギーがあるので)
補足:allergy は名詞、allergic は形容詞です。”I have an allergy” または “I’m allergic to ~” のどちらの形でも通じますが、後者のほうが会話ではよく使われます。
症状を伝える
- “I think I’m having an allergic reaction.”
(アレルギー反応が出ていると思います) - “My skin gets itchy because of allergies.”
(アレルギーで肌がかゆくなります)
機内・レストランで確認する
- “Is there any allergy information for this meal?”
(この食事にアレルギー情報はありますか?) - “Can you make sure there’s no peanuts in this dish? I have a severe allergy.”
(この料理にピーナッツが入っていないか確認してもらえますか?重度のアレルギーがあるので)
命に関わる場面もあるため、severe(重度の)や serious(深刻な)といった言葉を添えると、相手により真剣に受け止めてもらいやすくなります。
関連する英単語もあわせて確認
allergy に関連して、覚えておくと便利な単語をまとめました。
| 英語 | 発音の目安 | 意味 |
|---|---|---|
| allergy | アラジー | アレルギー(名詞) |
| allergic | アラージック | アレルギーの(形容詞) |
| allergen | アラジェン | アレルゲン(原因物質) |
| asthma | アズマ | 喘息(sの発音に注意) |
| anaphylaxis | アナフィラクシス | アナフィラキシー |
asthma(喘息)も、日本語のカタカナ「アスマ」とは異なり、英語では s を発音せず「アズマ」に近い音になる点に注意してください。
まとめ
「アレルギー」の発音について、重要なポイントを整理します。
- 英語の allergy は「アレルギー」ではなく「アラジー」に近い音
- アクセントは最初の「ア」。均等な4拍で発音しない
- 「アレルギー」はドイツ語 Allergie に由来する発音
- カルテ・ガーゼ・レントゲンなど、医療用語には他にもドイツ語由来のものが多い
- 海外では “I have an allergy to ~” や “I’m allergic to ~” で伝える
- 命に関わる場合は severe や serious を添えて真剣さを伝える
アレルギーは、伝わらなかったときのリスクが大きい単語のひとつです。旅行や留学の前に、ぜひ発音を確認しておいてください。
なお、英語には「アレルギー」以外にも、実はドイツ語や他の言語に由来していて英語と発音が異なる単語がいくつかあります。worldが言えない理由やwaterが通じない理由もあわせてご覧ください。

